わたしが人魚になった日
- flowerbag
- 2016年6月15日
- 読了時間: 2分

海に飛びこまなければよかった そう…あたしは海に飛びこむ勇気も あのひとのために死ねる勇気もあるわ それなのに 自分の気持ちをうちあける勇気がなかったの
(岩舘真理子 『わたしが人魚になった日』)
遠い昔に読んだから
記憶があいまいなのだけど
たしか
こまかい雨のふる海のシーンで はじまるんじゃなかったかしら





まるでシャボンの
夢みたいにすぐ消えてすぐ覚める
そんな台詞がまじりあうんだけど
どちらも せつない恋のお話で
草子さんの長い髪にあこがれたり
夏休みに縁側で飲む シュワシュワのサイダーの泡に
静かすぎる夏の庭に
眠たくなるような ぼんやりとしたまだ子供だったのに
気持ちをうちあける勇気だけがなかったのの言葉にとつぜん
胸をきゅうとつかまれた
何年もあとの まぶしすぎる夏を
波打ち際の泡みたいに 真っ白な雪の季節を
そのころから
知っていたのかもしれない

私が人魚になった日を
なる時を

オーダーくださったのは
たしか
はじめてご連絡をいただいたbagも
漫画の物語から お作りした 笑
月と星のbagの横浜の女の子
人魚姫のような 蓋が主役のbagはかごのぶぶんはシンプルに

波打ち際の泡から
中布の ラムネ色の海から
真っ白なお花が貝殻が
こぼれおちるように
しています



海はないんだけど
夢みたいに つくられて すぐに消える
月と桜と長刀の
天辺のきらきらの星たちがひかる
まるで亜熱帯の湿度のなかの
山鉾の季節の京都で
ことしも
おあいできること
たのしみにしています

love

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